simbiosis

現代社会での写真とは、全世界の人々にとって当たり前のものになりました。

スマートフォンやデジタルサイネージ広告など過去にはなかったものが新たに存在し始め、私たちは一定の画面を通して、常に視ることができるようになっています。

ただしそれらは写真を画像として置き換えられた状態であり、常に表示されるそれは注視されることが減り、曖昧な記憶として自分の中に入り込み、その世界観をあるものだと疑うことをしません。

同時に、その多くが自らの身体を使って感じる知覚ではなく、機械を介在した知覚であるため、幻の世界のようにも感じます。

私は、より人の意識が届いていない自然物に目を向け撮影する事で、そこにある事実がまるで幻の世界にもなる事を実感しています。

現代社会では、簡単に幻の世界を作る事が出来るようになり、より刺激的な世界を体験する事が出来ます。

私達は幻を作りだす力と引き換えに真実の曖昧さを受け入れなければならなくなりました。

ですが、私は目の前にある真実がとても愛おしく感じています。